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暑さがおさまって酒田の朝顔が元気なこと

 


山形は酒田の農園から朝顔の苗を取り寄せたのは梅雨どきのことでした。
順調に蔓も伸ばし花をつけ始めたのは盛夏の頃。西洋朝顔の半分くらいの大きさで、端正な佇まいで涼しげな色合いの花でした。しかし、残念だったのは、早朝に咲いて午前中の早い時間に萎れてしまうこと。店を開けてひと段落して、ふと気がつくともう萎れているのです。あたら、命短し。
せっかくきれいな花が咲くのに、残念な思いでいたところ、この九月の中旬を迎え涼しくなってきた折、しっかりと午後まで花が保ってくれるようになりました。

 

 山形は日本海側の酒田市、二年ほど前に訪れたことがありますが、真夏でも朝晩それなりに涼しかったことを記憶しています。彼の地から来たこの朝顔も、この夏の殺人的な東京の暑さに辟易していたのでしょうか。いまや元気いっぱいで、蔓も伸びに伸びて、プランター植えの方は収拾がつかなくってしまいました。花も毎朝すごい勢いでつけてくれています。
一方、鉢植えにした方は、かろうじて品の良さを保っています。赤い小さな花は、一緒に取り寄せたルコウソウ、朝顔を引き立てるようにかわいく咲いております。
いつまで楽しめるかな。

 

 

 

 

 

 

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| 趣味のこと | 20:07 | comments(0) | - |
Wonderful Story

 

 伊坂幸犬郎、木下半犬、貫井ドッグ郎ら、日本の若手中堅作家による、犬をテーマにしたワンソロジー。しかし、伊坂幸犬郎はまだ良いとしても、貫井ドッグ郎って(笑)

 サスペンスあり、ミステリタッチあり、青春小説風あり、バラエティに富んだ短編集となってます。中でもさすがの存在感を放ってるのが伊坂幸犬郎。寓話もどきの摩訶不思議な物語、要所要所で思わずニヤリとさせられるし、最後のオチも見事にキマってます。

この表紙から思い浮かべるようなラブリーな犬も出てこないし、キュートなストーリーも無いけれど(そういう意味ではこの表紙は詐欺まがいか)どれもが個性的でワンダーで、まさしくワンダフルな犬たち。

 空いた時間にさらっと読める短編ばかりなので、犬好き本好きの方達にかるーくおすすめできる愉快な一冊です。

 

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| 趣味のこと | 20:54 | comments(0) | - |
国立博物館 運慶展

 

 上野の国立博物館で開催中の運慶展を観てきました。新聞や雑誌で盛んに紹介されているこの展覧会、開催から二日目、平日水曜日の昼過ぎに行ったのですが、入場待ちの列も無く、場内はやや混雑してはいるものの、余裕を持って観ることができました。

 

 素晴らしかったです。ほとんどの仏像が、ガラスケース越しでは無く、じかに、それもすぐ側まで寄って鑑賞できるのです。
国立の特別展は見せ方がとても巧いですね。薄暗い室内に、下方からLEDで照らされた仏像たちは、あるものは躍動感や力強さにあふれ、あるものは慈悲深い表情を浮かべ、観るものの心にさまざまな感情を引き起こします。どれを観てもドキドキしてしまいますが、特に私は、四天王立像の多聞天に恋に落ちてしまいました(笑)
彼の前を何度行ったり来たり、ぐるぐる回ったりしたことか…

 

 

 特別展に来るたびに買うか買うまいか迷ってしまう図録。高価だし、分厚くて家の本棚の場所を食うもので。
しかし、今回はあまり迷わずにレジに持って行ってしまいました。写真がどれも素晴らしかったから。
これからしばらくは、これを広げながら美味しいお酒が呑めそうですな(笑)

 

 会期は11月下旬まで。もう一度くらい、多聞天に会いに行ってしまいそうです♡

 

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| 趣味のこと | 21:17 | comments(0) | - |
清水潔 「殺人犯はそこにいる」

 

 去年のこと、東北地方の某書店で「文庫X」と銘打たれ、著者や書名がわからないようにカバーをかけられた覆面本が売り出され、全国的な話題となり、実際にかなり売れるという現象がありました。
その本の正体がこれです。
これを読んだ書店主の方が、一人でも多くの人に読んでもらいたいと思い、先入観を持たれないように覆面をかけ、その代わりそのカバーに、読んでもらいたいという自分の思いをびっしりと書き込んだのだそうです。

 

 「一人でも多くの人に読んでもらいたい」
確かにそうでした。
こんなことが現代の日本で実際に起こっていたのかと慄然とせざるを得ません。
こんな許されざる事態がこの国の司法で行われていたということを、一人でも多くの人に知ってもらうべきだ。この本を読んだ人なら、必ずやそう思うことでしょう。

 

 ノンフィクションとして取り上げられるのは、幼女ばかりが狙われた連続殺人事件であり、またその犯人に仕立て上げられ無実の罪を被るところだった一人の男性の半生です。

冤罪事件の罪深いところは、
・無実の罪で囚われた者の人生を破壊する
・その家族の生活を破壊する
・(それが殺人事件等であれば)被害者及びその遺族の無念が結果的に晴らされない  
そして、
・真の殺人犯が、野放しになる

 

 ニュース等で「被害女性の衣類に付着していた体液と容疑者の頭髪から検出されたDNAが一致した」などと聞いたら、我々はもう無条件に「あぁ、こいつが犯人なんだな」と思い込んでしまいます。
でもその鑑定が、検察側のある意図によって恣意的にコントロールされていたとしたら…

数年前に、いわゆる足利事件で冤罪が確定して無罪釈放された菅谷さんの件がそれでした。
組織を守るためなら、その中の自分たちの地位を守るためなら、警察や検察というお役所は、上記の罪深さなど一顧だにしないようです。
こんなことでは、我々だって、いつ変態ロリコン幼女殺害犯に仕立て上げられるかわかりません。
逆に、我々の子供が、孫が、いつ殺人犯の毒牙にかかってしまうかもしれない。
なにしろ、彼らが野放しにした殺人犯が、善良な市民のような顔をしてすぐそばにいるのかもしれないのだから。

| 趣味のこと | 21:14 | comments(0) | - |
佐藤正午「月の満ち欠け」

 

 

 先日発表された直木賞受賞作品です。あらすじにはあまり触れない方が良いタイプの作品かと思うのでそれは割愛しますが、輪廻転生とか生まれ変わりといったことが主軸となっている物語です。

 

 人が想いを残したままこの世を去らなければいけなかったとき、その想いはどこに行ってしまうのでしょうか。その想いの行き場を与えるべく作られたものが霊という現象であったり、怪談という物語であったりするなら、生まれ変わりというものはその想いが引き起こす奇跡として設定されるものなのかも。

 

 クライマックスを読んでいるときにぼんやりと「あぁ、この場面は『ゴースト〜ニューヨークの幻』みたいだなぁ」と思っていたら、最後の一行を読み終えたときに頭の中でライチャス・ブラザースが鳴り始めてしまいました。周りに誰もいないときでよかったです。

 

もし今日、街を歩いてるときにふと目があって微笑まれたような気がした女の子(あるいは男の子)がいたとしたら、それはもしかしたら…

 

「君にちかふ 阿蘇の煙のたゆるとも 萬葉集の歌ほろぶとも」

昭和の歌人、吉井勇さんという人の歌だそうです。この本で知りました。良い歌だなと。

岩波書店は佳い本を出しますね。

 

| 趣味のこと | 10:53 | comments(0) | - |