LIVEDOG BLOG

Wonderful Story

 

 伊坂幸犬郎、木下半犬、貫井ドッグ郎ら、日本の若手中堅作家による、犬をテーマにしたワンソロジー。しかし、伊坂幸犬郎はまだ良いとしても、貫井ドッグ郎って(笑)

 サスペンスあり、ミステリタッチあり、青春小説風あり、バラエティに富んだ短編集となってます。中でもさすがの存在感を放ってるのが伊坂幸犬郎。寓話もどきの摩訶不思議な物語、要所要所で思わずニヤリとさせられるし、最後のオチも見事にキマってます。

この表紙から思い浮かべるようなラブリーな犬も出てこないし、キュートなストーリーも無いけれど(そういう意味ではこの表紙は詐欺まがいか)どれもが個性的でワンダーで、まさしくワンダフルな犬たち。

 空いた時間にさらっと読める短編ばかりなので、犬好き本好きの方達にかるーくおすすめできる愉快な一冊です。

 

<ドッググッズ&トリミング LIVEDOG>

| 趣味のこと | 20:54 | comments(0) | - |
国立博物館 運慶展

 

 上野の国立博物館で開催中の運慶展を観てきました。新聞や雑誌で盛んに紹介されているこの展覧会、開催から二日目、平日水曜日の昼過ぎに行ったのですが、入場待ちの列も無く、場内はやや混雑してはいるものの、余裕を持って観ることができました。

 

 素晴らしかったです。ほとんどの仏像が、ガラスケース越しでは無く、じかに、それもすぐ側まで寄って鑑賞できるのです。
国立の特別展は見せ方がとても巧いですね。薄暗い室内に、下方からLEDで照らされた仏像たちは、あるものは躍動感や力強さにあふれ、あるものは慈悲深い表情を浮かべ、観るものの心にさまざまな感情を引き起こします。どれを観てもドキドキしてしまいますが、特に私は、四天王立像の多聞天に恋に落ちてしまいました(笑)
彼の前を何度行ったり来たり、ぐるぐる回ったりしたことか…

 

 

 特別展に来るたびに買うか買うまいか迷ってしまう図録。高価だし、分厚くて家の本棚の場所を食うもので。
しかし、今回はあまり迷わずにレジに持って行ってしまいました。写真がどれも素晴らしかったから。
これからしばらくは、これを広げながら美味しいお酒が呑めそうですな(笑)

 

 会期は11月下旬まで。もう一度くらい、多聞天に会いに行ってしまいそうです♡

 

<ドッググッズ&トリミング LIVEDOG>

 

 

 

 

| 趣味のこと | 21:17 | comments(0) | - |
清水潔 「殺人犯はそこにいる」

 

 去年のこと、東北地方の某書店で「文庫X」と銘打たれ、著者や書名がわからないようにカバーをかけられた覆面本が売り出され、全国的な話題となり、実際にかなり売れるという現象がありました。
その本の正体がこれです。
これを読んだ書店主の方が、一人でも多くの人に読んでもらいたいと思い、先入観を持たれないように覆面をかけ、その代わりそのカバーに、読んでもらいたいという自分の思いをびっしりと書き込んだのだそうです。

 

 「一人でも多くの人に読んでもらいたい」
確かにそうでした。
こんなことが現代の日本で実際に起こっていたのかと慄然とせざるを得ません。
こんな許されざる事態がこの国の司法で行われていたということを、一人でも多くの人に知ってもらうべきだ。この本を読んだ人なら、必ずやそう思うことでしょう。

 

 ノンフィクションとして取り上げられるのは、幼女ばかりが狙われた連続殺人事件であり、またその犯人に仕立て上げられ無実の罪を被るところだった一人の男性の半生です。

冤罪事件の罪深いところは、
・無実の罪で囚われた者の人生を破壊する
・その家族の生活を破壊する
・(それが殺人事件等であれば)被害者及びその遺族の無念が結果的に晴らされない  
そして、
・真の殺人犯が、野放しになる

 

 ニュース等で「被害女性の衣類に付着していた体液と容疑者の頭髪から検出されたDNAが一致した」などと聞いたら、我々はもう無条件に「あぁ、こいつが犯人なんだな」と思い込んでしまいます。
でもその鑑定が、検察側のある意図によって恣意的にコントロールされていたとしたら…

数年前に、いわゆる足利事件で冤罪が確定して無罪釈放された菅谷さんの件がそれでした。
組織を守るためなら、その中の自分たちの地位を守るためなら、警察や検察というお役所は、上記の罪深さなど一顧だにしないようです。
こんなことでは、我々だって、いつ変態ロリコン幼女殺害犯に仕立て上げられるかわかりません。
逆に、我々の子供が、孫が、いつ殺人犯の毒牙にかかってしまうかもしれない。
なにしろ、彼らが野放しにした殺人犯が、善良な市民のような顔をしてすぐそばにいるのかもしれないのだから。

| 趣味のこと | 21:14 | comments(0) | - |
佐藤正午「月の満ち欠け」

 

 

 先日発表された直木賞受賞作品です。あらすじにはあまり触れない方が良いタイプの作品かと思うのでそれは割愛しますが、輪廻転生とか生まれ変わりといったことが主軸となっている物語です。

 

 人が想いを残したままこの世を去らなければいけなかったとき、その想いはどこに行ってしまうのでしょうか。その想いの行き場を与えるべく作られたものが霊という現象であったり、怪談という物語であったりするなら、生まれ変わりというものはその想いが引き起こす奇跡として設定されるものなのかも。

 

 クライマックスを読んでいるときにぼんやりと「あぁ、この場面は『ゴースト〜ニューヨークの幻』みたいだなぁ」と思っていたら、最後の一行を読み終えたときに頭の中でライチャス・ブラザースが鳴り始めてしまいました。周りに誰もいないときでよかったです。

 

もし今日、街を歩いてるときにふと目があって微笑まれたような気がした女の子(あるいは男の子)がいたとしたら、それはもしかしたら…

 

「君にちかふ 阿蘇の煙のたゆるとも 萬葉集の歌ほろぶとも」

昭和の歌人、吉井勇さんという人の歌だそうです。この本で知りました。良い歌だなと。

岩波書店は佳い本を出しますね。

 

| 趣味のこと | 10:53 | comments(0) | - |
姫野カオルコ「昭和の犬」


先日直木賞を受賞した、姫野カオルコさんの「昭和の犬」を読みました。
この作品は私小説ということでカテゴライズされているので、主人公の柏木イクという女性は、姫野カオルコさん自身が投影されているのでしょう。

姫野カオルコさんは雑種犬が好きなようです。
平成の世になってから現れたミックス犬ではなく、この本のタイトルのように、いかにも昭和らしい雑種が。
彼ら彼女らは「ワンコ」でも「ワンちゃん」でもなく、「犬」なのです。
昭和四十年代頃には東京でもまだ見られた、リードも鎖も繋がれず、一人でふらふらと歩き回って、目が合うと「なにか?」って顔をしていた犬たち。

育った家庭環境のせいか、生きるのに少々不器用な柏木イクにさまざまな犬や猫が寄り添います。
物語の終盤、公園でシベリアンハスキーのジローにイクが押し倒される場面、耳の遠いおじいさんが散歩させている雑種のマロンにイクが心を寄せる場面、姫野カオルコさんは犬好きの心をつかみます。

そうそう、おじいさんが雑種の犬を散歩させてる光景って、とても良いですよね。

特にドラマチックな展開があるわけでなく、ハラハラするような事件が起こるわけでなく、ただただ不器用な人間たちと犬たちによる淡々とした物語。
この作品に妙に共感してしまうのは、著者と世代的に近いからでしょうか。

直木賞ってなんだか不思議です。
こういう作品にも光を当ててくれるのですね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
東京の谷中にあるドッグサロン
<トリミング・ペットホテル・グッズ>
ホームページはこちら↓
http://www.livedog-yanaka.com/
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
| 趣味のこと | 22:52 | comments(0) | - |
CALENDAR
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< November 2017 >>
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
ライブドッグのホームページ
PROFILE