「娘は戦場で生まれた」というドキュメンタリー映画を観てきました。渋谷シアターイメージフォーラムにて。
シリアで最も人口の多い都市にして、最後の反体制派の拠点として熾烈な内戦の戦場となり、シリア政府軍とロシア軍による攻撃にさらされ続けたアレッポ。
その砲撃や空爆が砂塵を巻き起こす、死と隣り合わせの状況の中でカメラを回し続けて、2016年にアレッポが陥落するまでを、その内戦中に母親となった一人の女性が内側から記録したドキュメンタリーです。
その映像の要所要所に、赤ん坊を育てる母親の視点で描いた困難やささやかな喜びが織り交ぜられ、戦争の悲惨さとのコントラストと相まって強く胸を打ちます。
この映画を観終えたあと、さまざまな想いが湧き上がってきますが、そのうちの一つが、私たちの無力さ。
シリア政権軍やロシア空軍の爆撃が激化したとき、彼らはそれを世界に伝えようとし、「きっと世界はこれを止めてくれる」と期待をかけます。しかし、世界は動かなかった。日に日に砲撃や空爆が激化し、病院の床は血に塗れ、死体の数が増えていく。やがて彼らの声は「こんなことを世界は許すのか」という嘆きに変わります。
その「世界」には「私たち」も含まれています。
この映画が突きつけて見せる私たちの無力さ、無関心さはきつい痛みをともないます。
自分たちの声で何が起きているのかを伝えたい、映画を見た人に真実を知ってほしい、身近に感じもらって、連帯感を持ってもらいたい。母親、ワアド・アルカティーブさんは言います。彼女らが経験したことは、決して特別なことなのではないのだと。
そして、シリアでは今も独裁者が罪のない人々を殺し続けていて、私たちはそれを許しているのです。
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