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佐藤正午「月の満ち欠け」

 

 

 先日発表された直木賞受賞作品です。あらすじにはあまり触れない方が良いタイプの作品かと思うのでそれは割愛しますが、輪廻転生とか生まれ変わりといったことが主軸となっている物語です。

 

 人が想いを残したままこの世を去らなければいけなかったとき、その想いはどこに行ってしまうのでしょうか。その想いの行き場を与えるべく作られたものが霊という現象であったり、怪談という物語であったりするなら、生まれ変わりというものはその想いが引き起こす奇跡として設定されるものなのかも。

 

 クライマックスを読んでいるときにぼんやりと「あぁ、この場面は『ゴースト〜ニューヨークの幻』みたいだなぁ」と思っていたら、最後の一行を読み終えたときに頭の中でライチャス・ブラザースが鳴り始めてしまいました。周りに誰もいないときでよかったです。

 

もし今日、街を歩いてるときにふと目があって微笑まれたような気がした女の子(あるいは男の子)がいたとしたら、それはもしかしたら…

 

「君にちかふ 阿蘇の煙のたゆるとも 萬葉集の歌ほろぶとも」

昭和の歌人、吉井勇さんという人の歌だそうです。この本で知りました。良い歌だなと。

岩波書店は佳い本を出しますね。

 

| 読書のこと | 10:53 | comments(0) | - |
暴風雹その後

 

 三日前に日暮里、田端、駒込界隈を襲った雹、すごかったですね。

私はそのとき、店の二階で仕事をしていたのですが、雷雨から始まり暴風雨となり、その暴風に雹が混ざり始めたとき、大げさでなく、これがこの世の終わりの光景であるかのような恐怖を覚えました。

やがて、その雹のひと粒ひと粒がどんどん大きなものになっていき、子供の拳ほどの大きさに見えて来たと思うや、そのうちのひとつが店の入り口のテントの屋根を突き破りました。あぁ、穴があいちゃったなぁ…と思うまもなく、そのテントの屋根は機銃掃射を受けたかのように穴だらけとなり、やがてはみごとに抜けてしまったのです。

店の前に駐めてあった軽自動車も、かわいげのある小動物のいたずらのような凹みが無数にできました。

こんな事態が起きるとは…と驚くばかりです。

 

 今日テント屋さんが来てくれて見積もりを取ってもらったのですが、やはり同じような被害にあってるところが多いらしく、テント屋さんもてんてこ舞いのようで、いつ張り替えできるかわからない、もしかしたら9月の声を聞いてしまうかもしれない、とのこと。

しばらくは店頭がみすぼらしい状態で、恥ずかしい限りですが、致し方なし。お金で解決できる程度の被害で良かったと思うべきでしょう。九州などを襲った豪雨災害に比べたら「被害」などども言えない程度ですが…

 

 なんとなく不穏な気配の多い最近の夏。台風シーズンが過ぎ秋が深まる頃まで警戒の気持ちを忘れないようにしたいものです。

 

 

 

| LIVEDOGのこと | 17:39 | comments(0) | - |
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